介護の基本

先日は札幌から姉、姉の子供、そしてその子たちが実家に集結した。去年に引き続き、爺、婆のお祝いのために来てくれたのだ。昔ながらの、家族全員が集まるお正月風景といったところか。
このたびは、準備は姉がしてくれたので大きな負担はなかったが、それでもki-は我が家で台所に立ちっぱなしで御馳走を作ってくれていた。せっかく来る孫たちに何か食べさせてあげたいという思いからだろう。こういう時こそ姉にすべて任せてゆっくりしてほしいと思うが、そうはいかない性格のようだ。

皆が集まる実家に私たちが少し遅れていくと、いきなり彼らが飼っている犬のrimoが跳びついてきた。rimoも来ていたのだ。すでにたくさんの料理が所狭しとテーブルに並べられ、父はすでに日本酒を飲んでいた。例によって「うまい酒だぞ」と杯を掲げご満悦だ。聞くところによると、ダッサンとかいう銘柄の、1本2万円もする酒を孫が山口県から取り寄せてくれたとのこと。そんな高価な日本酒は私も初めてだ。値段を聞いただけで美味いと分かる。
母は例によって車いすで、無表情にぐったりともたれかかっている。最近は私の顔を見ても表情が変わらなくなってしまった。ニコットでもしてくれればありがたいのだが、期待してもため息がでるだけだ。ただ食欲はあるようで、姉が介助して差し出すごちそうはよく食べてくれていた。普段、刺身とか、生ものは食べさせてもらえないだろうからよかったと思う。

にぎやかな時間もあっという間に過ぎ、父母を返さなければいけない。そのためには母の下の様子も確認する必要がある。そんな時、頼りになるのがki-だ。なぜ子供である私たち兄弟が母の下の処理をせず、嫁のki-にさせるのか、非難されるかもしれないが、つい元看護師のki-に甘えてしまうのだ。母は、私たちが来る前から少し力んでいたということから、案の定便の量は物凄いものだった。こんなに大きな便の塊が、人間の体内から出るものなのか、と思うくらい大きいものだった。自分もいずれこうやって人の世話になるのだろうと思いつつ、おむつ交換を行った。おむつはおしっこの横漏れや便のはみ出しのないようにきちっと装着しなければならない。その辺の指導をki-から受けながら、いずれはki-の助けを受けることなく自分たち子供が処理しなければならないだろう。

外はもう真っ暗になっている。北国の夜は早い。父と母を総がかりで車に乗せ、一人ずつ送り返す。
母は、施設のスタッフの人に明るく出迎えを受けると、ようやっとにこやかに「ただいま」を言うようにスタッフの手を握り返していた。我が家に帰ってきたよという雰囲気だった。母にとって、もうここが我が家なのだ。そしてそれは父も同様だった。

去年暮れの大晦日、実家に泊めた父が便まみれになり、新年早々は母の便だくさんのオムツ交換と、便に終わり便に始まるという、介護の基本のような始まりだった。今年一年を想定しているかのような、まさに象徴的な年末年始であった。




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