施設から足が遠のく人の気持ち

施設への訪問は、私たち訪問する側の気分が大きく左右する。行って喜ばれればまた行きたくなるが、行ってもただにらまれ無視されると行きたくなくなる。
それが病気のせいと分かっていても、何度か繰り返されると二の足を踏むことになる。
母のところは、私の住むところからは車で30分かかるので、毎日は行けない。毎日どころか週に2回程度が精いっぱいだ。そして最近は週2回も怪しくなってきている。

いつもは食事の時間に合わせて訪問し、食事介助をしながら接することにしている。食事の時間以外はベッドに横になっていて、ほとんど目をつむっていることが多いので、行ってもわかってもらえないからだ。
機嫌の悪い時は、何度呼びかけても目をつむったまま返事すらしない。たぶん誰か来ていることはわかっていると思うのだが、目を開けて相手をするのが面倒なのかもしれない。

最近では、私を見て誰だろうというような顔をする。kiからみっちゃんだよと言われて初めて驚いたように「えっみっちゃんかい?」といった感じだ。みっちゃんが自分の息子であるということはまだわかっているのだろう。しかし、こちらとしては「それはないだろう・・・」とがっかりしてしまうのだ。
だから・・・母には全然悪気はないのだ。わかっているさ。わかってはいるけど、「今日行くのどうしようか?」「やっぱりやめようか?」という気になってしまうのだ。

認知症と一言にいってもいろんな症状がある。時々テレビで認知症患者が紹介されているのを見ることがあるが、物忘れは激しいものの、明るく楽しそうに周りの人と会話をしている人を見ると、こんな感じだったらいいのに・・・と羨ましく思ったりすることがある。
母から会話がなくなったのはいつの頃からだろうか?やはり血糖値が最高に上がって、意識朦朧になって病院に運ばれた頃からだろう。いや、もっと前から会話はすでになかったかもしれない。気をつけていたつもりだったけれど、しらずしらず重症化していたのかもしれない。

私たちが両親介護と称して、実家近くに戻ってきた時からわずか4年で今の状態だ。夫婦離れ離れの施設暮らしになってしまったことは、もっと他に方法はなかったのか?本当に最善の方法だったのか?
決して最善なはずはない。しかし、ほかにどんな方法があったろうか?

そんな思いを巡らせていると、母の施設の人から今後の計画についての相談があった。今しばらく引き続きよろしくお願いしますといいつつ、父と同じ施設に入る手立てはないものか、ぶつけてみた。
費用の面で困ることは目に見えている。父の施設は新しく、個室形式で費用もそれなりに高いだからだ。
当然相談を受ける方も困る。それは家族の考え次第だし、金の面まで立ち入れない。
結局また相談しましょうということで電話を切るしかなかった。

施設に足が向かなくなるのは誰のせいか?何が原因か?それは母の気持ちと自分たちの気持ちと天秤にかけての結論なのだろう。母の気持ち、それを思うのなら足が遠のくはずがないではないか。考えてみれば結局は己のせいだと思い知ることになる。認知症という病気のせいでも決してないのだ。もちろん自分を責めてばかりいたらやってられないけれどね。
施設からの風景になります
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この記事へのコメント

2016年09月09日 19:21
こんばんは。

こんばんは。
私の母は、60代後半で脳梗塞が原因で半身不随、
失語症と痴呆も加わって81歳で生涯を終えました。
亡くなる前の数年は、もしかしたら娘であると認識して
くれた時期もあったように思いますが、いろんな事情で
私が施設に入所させた経緯があります。
当時、私の住居から遠く離れた場所に施設があり、
年数が経ていくにしたがって会いに行く機会が
少なくなり、会う度に知らぬ顔をされて言葉も通じず
空しく感じることも多くありました。
兄妹に見捨てたと詰られながら、私には家庭内の
事情があり日参できませんでした。辛かったですね。
個人的な諸事情で母の元を離れ、亡くなるまで会う事も
なく、葬儀の日以来今日まで墓に参ることもなく
今日に至ります。
人には様々に事情があるものです。
心に痛みは感じますが、頑張ったのだと自分に
言い聞かせるしかないこともあります。
費用の事、介護の事、施設の事・・いずれ
自分たちの身にもあり得ることですが
母の年齢に近づいた最近は、考える事も多く
なりました。




まん
2016年09月09日 20:26
最近、人気のない実家に行って片づけごとをしていると、無性に寂しくなることがあります。両親とも亡くなったわけでもないのに、寂しくていたたまれなくなるのはなぜだろうと?
みんなこういう経験をして乗り越えてきているんだなあとつくづく思います。

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