私の今後の人生観、死生観そして不安感に関して何らかの参考にしようと思ったのですが、無理でした。
内容があまりにも浅くて知識には役立ちますが深い思考には不向きでした。
著者の思いは最後の数行に凝縮されているいるようでした。
「レヴィ=ストロースの構造主義的唯物史観の出現によって、人間の思考パターンはほとんど出尽くした。」
「自然科学が発達し脳の学問も進歩した結果、哲学や神学、そして宗教が果たしてきた役割はどんどん小さくなっていくのが世界の趨勢である。」
そして「人間が何千年という長い時間の中でよりよく生きていくために、また死の恐怖から逃れるために必死に考えてきたことの結晶が哲学と宗教の歴史である。」
「もしかするとどこかに明日への扉を開く重大なヒントが隠されているかもしれない。少なくとも僕(著者)はそう信じてこの本を書きました。」
と締めくくっています。
まさに私もそう信じてこの本を読んでいるのです。
レヴィ=ストロースほか、私の知らない学者がたくさん出てきました。それを知っただけでも読書の価値はあるでしょう。
しかしそれだけでした。
多分、数多くの紹介された哲人、学者そして教祖の方々の、そこそこの知識があることを前提としていたら、
著者の目的も私の目的も程度の差こそあれ達成できたかもしれない。
書物を読んでそれぞれが相応に理解し思考を深めることは重要だし無駄ではありません。
結果的にそれだけと感じたのは私の学術的レベルが低すぎたからかもしれません。
いずれにせよ世の中にはたくさん知識を持った方々がいるものだと痛感しました。
世界的格差の時代にある私たちは、差があるのはお金だけでなく知識もそうでした。
これは少々悔しいのですが、読んできた本の量が全然違うので仕方ありません。
ただ今回読書が楽しいということだけは著者と共有することができたようです。楽しさに格差はないのですから。
ほかにもこんな本が大変面白い。

観音さんと人形の子供たちが新型コロナから守ってくれています。

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